家具や家電をはじめとした色々なものをインターネットに繋げようというIoT化が進んでいる今日、最もIoT化が進んでいる製品の1つはトイレであると言われています。
トイレが混んでいて使えないという状況を防ぐためにトイレのドアにセンサーを取り付けて空き状況を可視化する製品は、富士通やKDDI、ソフトバンク、伊藤忠テクノソリューションズを始めとする多くの会社が提供を行っていて、これだけ賑わいを見せるIoT製品はそうありません。
これは私たちにとってトイレがそれだけ身近なものということで、実際に小田急電鉄の駅構内にあるトイレや京都の二条城のトイレなどでこのトイレをIoT化する仕組みが取り入れられており、観光地や商業施設の他にもライブやマラソン大会のイベント会場など様々な場所でIoTトイレの活躍が見込まれています。
(出典:ranger-systems.co.jp)
(出典:kdl.co.jp)
数あるIoTトイレの中でもその可能性が最も期待されているのは、トイレを利用した健康チェックで、サイマックス株式会社が開発を行っているIoTセンサーは、便器に取り付けることで自動で尿の成分の分析を行って毎日の健康状態をモニタリングしてくれるのだそうです。
忙しい現代の人々が生活習慣病の兆候をいち早く察知するのは至難の技ですが、このデバイスを使用することで生活習慣病の86%を発見できるといい、スマホアプリと連携することで「尿phが下がっています。お酒の飲み過ぎには気をつけましょう」といったようにフィードバックを受け取ることができます。
デジタルハリウッド大学院も便の画像とセンサーで感知する微量の潜血から健康状態を計測するシンギュラリティトイレの「GAIA(ガイア)※仮称」を開発してその性能を検証しているといいますから、今後数年のうちにトイレは私たちの健康をチェックするツールとして一般化していくのでしょう。
(出典:symax.jp)
今は年に1、2度の健康診断や人間ドックでしか自分の健康状態を知ることができませんが、日々変化している私たちの身体の状態をいち早く察知することができれば、医師不足や高齢化の問題がさらに深刻化するこれからの時代をより健康に生きていくことも夢ではないのかもしれません。