2014年の世界経済フォーラムによれば、日本の男女平等度は142ヶ国中105位で、多くの男性にとって、仕事で成功し、プライベートを充実させることは当たり前の前提ですが、女性にとっては、仕事とプライベートの両方を勝ち取ることは安易なことではなく、よく考えてみれば、それは不可能とも言えるのかもしれません。
日本よりも女性の社会進出が積極的に進んでいるアメリカでさえ、マネージャーになる女性は32パーセント、CEO、COOなど経営を指揮するポジションに就く女性は17パーセントで、このペースでいけば、男女が本当に平等になるまでには100年以上かかってしまうとマッキンゼーの調査は報告しています。
別の調査では、女性の役員比率が40パーセント以上でなければならないというルールを持っている企業は、そうでない企業と比べて業績がよく、また、女性的な発想をする人は、幸せを感じ、将来を楽観視する割合が、男性的な発想をする人の2倍近くに達しているという報告もあります。
ベストセラー作家のマルコム・グラッドウェルは、著書「第1感"最初の2秒"の"なんとなく"が正しい」の中で、処理できないほどの情報があふれる世界では、どんなスーパーコンピュータよりも速く判断を下す「直感力」が重要だと述べていますが、経営者を対象に行われた調査によれば、女性経営者の方が、男性経営者より直感力に優れているという結果も出ています。
1980年代、多くの会社が女性を寿退社(結婚退社)を前提に雇っており、当時、30歳を過ぎてビジネス街で働いている女性はほとんどいませんでした。最近では、「女性が働きやすい会社」というイメージがあった資生堂が、一生ヒラではできない仕事があるとして、「女性が働きやすい会社」から「女性も働きがいのある会社」へと大きく進化し始めています。
フランスの政治家であるクリスティーヌ・ラガルド氏が「もし、リーマン・ブラザーズがリーマン・シスターズだったら、金融危機は起こらなかった」と述べたように、21世紀に人類が抱える問題は、女性的な概念をもとに取り組んだ方が明らに世の中を良い方向に導くことができるでしょう。
そして、男性も女性的になる必要があるということです。

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