日本の女子学生は「幻の赤ちゃん」を抱きながら就活をしていると海外でも話題になることがあるようです。
「幻の赤ちゃん」とはまだ恋人さえいないうちから、仕事と家庭を両立できるかを心配している若い女性のことを指しますが、実際は、よい社員でいることと、親としての責任を果たすことの両立はあまりにも困難であり、仕事を通じて様々なスキルを身につけた女性の約6割は、最初の子供が生まれるまでに職場を去ります。
近年、企業も世の中も女性の社会進出を後押しする傾向にあることは確かです。しかし、女性が責任ある仕事に本格的に関わるようになるのであれば、男性も家庭という部分に深く関わるようにならなければ、社会自体が成り立ちませんし、ジャーナリストの治部れんげさんによれば、物理的に女性にしかできないことは妊娠・出産と授乳だけで、その他のことはすべて男性にも何の問題もなくできるのだそうです。
過去40年間に行われた様々な調査で、父親が積極的に育児して育てた子供は、そうでない場合に比べて、精神的な充実感が高く、認知能力も高いことが確認されています。
北欧の国、スウェーデンでは、女性の就業率が80パーセントを超えるほどに女性の社会進出が進み、平日の昼間でも男性が街中でベビーカーを押す姿は日常当たり前の光景となって、ライフネット生命の代表取締役会長兼CEOの出口治明さんも次のように述べます。
「世界で一番赤ちゃんを産みやすい国こそが、いまだ人類が成し遂げたことのない理想郷ではありませんか。」
「人間は、動物です。動物の根源的な役割は、次の世代のために生きることです。だから、赤ちゃんを産みたいときに産めることが、何よりも 素晴らしい社会だと思うのです。」
そういった意味で、子供を持つ女性が働きやすい社会を作るために、まずは男性が働き方をあらためて、家庭に進出する必要があるのかもしれません。