「アイデアを出せ」「イノベーションだ」「クリエイティブ性を発揮しろ」そんな言葉が飛び交う現代社会にウンザリしている方も多いのではないでしょうか。
「日本の企業は、新規ビジネスの創造には強くない」と言われてしまうことがあるように、新しいアイデアを生み出すことを得意としている人は今の日本には少ないようです。
IT業界に革命を起こした人物と言えばビル・ゲイツの名が挙げられますが、彼は子どもの頃から貪るように、ありとあらゆる本を読み漁っていたと言います。夕食の時間になっても本から離れることがなく、両親が注意しなければならないほどだったそうです。
彼は成長するにつれ、ビジネスや国際問題などより多くのことに関心を示し、独自の意見を述べるようになっていきます。そして、次第に蓄積した知識が組み合わさりアイデアを生み出すようになり、どうすれば全米500位にランクインする会社をつくることができるかという課題について考えるようになりました。その結果が「パソコンのソフトを生み出す」ことになったのです。
発明家のエジソンもギリシアやローマの物語に没頭し、「図書館を読んだ」と言わしめるほどの読書家になったそうです。歴史を変えた発明は、本から得た知識が組み合わさって生まれたと言っても過言ではないのかもしれません。
実際、アメリカのとある研究では本を読むことで大脳が活性化し、新しい神経回路が生まれることが明らかにされています。大脳は思考を司る大事な部分。つまり、私たちがアイデアを生み出す時にフル稼働してる部分というわけです。オックスフォード大学神経科学教授のジョン・スタイン氏は「読書は脳の運動になる」とも発言しています。
資生堂名誉会長の福原義春さんは、本を読まない日は落ち着かないというほど読書が生活の一部となっているそうです。つねに5、6冊を並行して読むようにしている福原さんは、読書とは「知識を身に付ける一番手っ取り早い方法」とし、本を読む大切さを次のように説明しています。
「本から摂取した栄養は、私の血となり肉となり、ピンチに追い込まれたときには、必要な知恵を与えてくれる。だから私は、忙しい時期ほど本を読むようにしている。」
本は知恵や新しいアイデアの宝庫。仕事で行き詰った時には、本を手に取ってみるといいかもしれませんね。本の中にこそ、解決策のヒントが落ちているはずですから。