Good Life Journal

日常生活における「疑問?」を「確信!」へ

スマホは世界一小さいスロットマシーン、あなたの脳内はすでにゾンビ化している。

f:id:goodlifejournal:20181028153429j:plain

隠れキリシタンに関する歴史文書から創られたという遠藤周作の「沈黙」が昨年、マーティン・スコセッシ監督によって映画化されました。

答えのない心の葛藤が描かれたこの作品について、監督は28年前から考えを巡らせてきたといい、脚本を手がけたジェイ・コックス氏も、ローリングストーン日本版のインタビューで、観た後に考えさせられる映画を意識していると語り、「“考えること”はエンターテイメントだと思っている」と話しています。

この「考える」ということについて、私たちはいつからか「自分の頭で考えろ」など、自分の内側に答えを見つけるという言い方をするようになりました。

しかし、東京大学大学院で哲学を教えている野矢茂樹氏によると、実は考えるということは頭とか脳にひきこもることではなく、自分を外に開いていくことであり、書いてみたり、観察してみたり、あるいは異論・反論を持っている人と接触してみたりと、自分の外側であれこれ試してみることなのだそうです。

実際、人は4歳ですでに他人の心の動きを読むようになり、外へ意識を向けていくものなのですが、「世界一小さいスロットマシーン」とも言われるほどに人を執着させるスマホによって情報を追うことに忙しくなった人たちは、外側でいろいろ行動してみることから遠ざかっています。

考えることをせず意識しないでする行動は、脳内で「ゾンビシステム」という自動運転に切り替わっていくのだそうで、外側の世界を意識せずにスマホ歩きをしている人の姿は、どこかゾンビに似てきているのかもしれません。

2045年には人工知能が人の知能を超え、その知能はアインシュタインの20倍以上のIQ4000くらいになるとも予測されていますし、このままスマホと自分の内側にこもっていては人がロボットに勝つ未来はないでしょう。

ロボットは心も持てるのではないかと言われている中で、数理脳科学の第一人者である甘利俊一氏は、ロボットが心を持つには人類進化と同じくらいの時間が必要だと言います。

生気のないゾンビ社会に向かいそうな今、エンターテイメントだと思って外に向かって心を開き、「みんなそれぞれ理由がある」と答えがない葛藤の中で考えを堂々巡りさせるのは、きっと、未来のためにとても大切なことなのです。

はじめて考えるときのように―「わかる」ための哲学的道案内 (PHP文庫)

はじめて考えるときのように―「わかる」ための哲学的道案内 (PHP文庫)

  • 作者: 野矢茂樹,植田真
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2004/08/01
  • メディア: 文庫
 
脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす (ブルーバックス)

脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす (ブルーバックス)

  • 作者: 甘利俊一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/05/20
  • メディア: 新書
 
将棋に学ぶ

将棋に学ぶ

  • 作者: 安次嶺隆幸,羽生善治,谷川浩司,森内俊之
  • 出版社/メーカー: 東洋館出版社
  • 発売日: 2016/10/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)