一流企業の経営者など多忙を極める人ほど、信じられない量のタスクを難なくこなす一方で、明らかに暇そうな人に限っていつまでたっても仕事が終わらないというのは、誰もが認める事実だと言えます。
また、堀江貴文さんもLINEやメールなどに関して、ヒマな人ほど返信が遅く、忙しい人ほど返信が早いと著書のなかで述べており、例えば、幻冬舎の見城社長やサイバーエージェントの藤田社長などは返信が驚くほど早いのだそうです。
イギリスの経済学者として知られるノースコート・パーキンソン氏によれば、人は時間に余裕があると与えられた時間を無駄に使い、ギリギリになって仕事を終える傾向があると言い、忙しい人ほど手元に仕事を溜めないようにするのは、そのことを理解しているからでしょう。
実際、パーキンソン氏が授業で学生にレポートを書かせる時、準備期間が1週間でも1ヶ月でも、出来上がるレポートの質にほとんど違いが無いのだと言います。
ドイツの精神医学者であるエミール・クレペリン氏が行ったヤル気に関する研究によると、ヤル気が出ないから行動に移すことが出来ないというのは間違った認識だということが分かっており、本当は行動を起こさないから、いつまで経ってもヤル気が出ないということが分かりました。
と言うのも、脳の側坐核と呼ばれる部分が刺激されることで人はヤル気を感じるのですが、この側坐核を刺激するためにはまず手を動かして何かを始めなければならず、手を動かさない限り脳はいつまで経ってもヤル気を出してくれないからです。
アポロ11号が地球から飛び立ってからの最初の数分、距離にしてたった数キロの上昇にかかったエネルギーは、その後の約70万キロの旅に要したエネルギーをはるかに超えていたと言います。
恐らく、私たち人間もロケットと同じで、大量のエネルギーを使うのは動き出しだけで、一度動き始めてしまえば後は勢いに任せれば良いだけなのですから、「始めたら半分」という言葉を信じて、まずは始めてみるのが良さそうです。