お金にはものすごく汚いイメージが付いているためか、子供の頃にお金を口に入れて遊んでいたら、周りの大人にこっぴどく叱られたという経験は誰もが持っているのではないでしょうか。
しかし、みんなお金を手で触っているのですから、そう考えればお金というものはその程度の汚さだと言えますし、そうやって「お金=汚い」と洗脳され続けたせいで、私たちはお金に対してきちんと向き合う習慣を付けそびれてしまいました。
世界一の大富豪として知られるビル・ゲイツは「お金を上手に使うことは、お金を稼ぐのと同じくらいに難しい」と述べていましたが、実際、お金で自分の生活を豊かにする方法を心得ている人はそんなに多くないのかもしれません。
例えば、ほとんどの人が加入している生命保険は自分が死ぬ方に賭けるギャンブルですし、多くの日本人が購入する年末ジャンボ宝くじに関しても、1等の当選確率は2000万分の1で、それは言い換えれば800kgの米の中からたった1粒の米を探し出すことと同じ確率ですから、冷静に考えればそれが自分の価値観を満たすことのない浪費だと分かります。
幸福大国であるデンマークでは、若者が初任給でイスなどの家具を購入するのだそうで、彼らは時間とお金をかけて本当に良いものを選び、それを自分の子供や孫の代まで大切に使うそうです。
その背景には、人生の豊かさを決定するのは時間であり、その時間を過ごす空間をどれだけ快適にするかが自分の幸福につながると言う考え方がデンマークで浸透しているからでしょう。
また、メジャーリーガーのイチローも、家の中の空間がどれくらい気持ち良いかというのはグラウンド(成績)に反映されると何かのテレビ番組で語っていましたが、確かに、人生の約半分を過ごす家や家具は徹底的にこだわって、1円たりとも妥協するべきではないのかもしれません。
もともとお金というものは、価値の交換をスムーズにするために生み出された「道具」でしかないのですから、まずは今ある道具でどうすれば自分を幸せにすることができるか考えるところから始めてみるのが良さそうです。