元マッキンゼー日本支社長で経営コンサルタントとしても有名な大前研一さんによると、人生を変えるには時間配分、住む場所、もしくは付き合う人のいずれかを変えるのが効果的なのだそうで、その中でも付き合う人を変えることは特に効果が高いのだと言います。
それは私たちが普段インスタグラムやツイッターでフォローしている有名人よりも、毎日顔を合わせている人からの方がよっぽど大きな影響を受けているからに違いありません。
実際、人間関係に関して研究を行っているハーバード大学のニコラス・クリスタキス教授も身近な人から受ける影響は小さくないと断言しています。
その研究によれば、家族や友人が喫煙者である場合にあなたが喫煙者になる確率は61パーセントも上がるのだそうで、体重に関しても友人が太っている場合あなたが太る確率は57パーセント上昇し、兄弟姉妹の場合は40パーセント、配偶者でも37パーセントの確率で肥満は“感染”するようなのです。
「となりのトトロ」など数多くのジブリ音楽を作曲してきた作曲家の久石譲さんは、人との付き合い方に関して、レベルの低い人と付き合っていては自分のレベルまでその人に合わせて落とすことになると述べており、オーケストラや会社を例にして次のように語っていました。
「国際級のすごい人間を入れても、一人ヘタな人間がいるとオーケストラのレベルはそのレベルに下がってしまう。会社も個人も一緒だと思う。非常に有能な社員がいても、部署にどうしようもないやつが一人いると、組織のレベルはきっと下がる。」
このように自分が普段付き合っている人のネガティブな行為が自分にもネガティブな影響を与えるわけですが、それは裏を返せばポジティブな影響も周囲の人から受けることにもなります。
例えばあなたの友人がタバコを辞めれば、あなたが禁煙する確率は当然上がるでしょうし、実際にハーバード大学で行われた研究ではインフルエンザの予防接種を受ける友人が10パーセント増えると自分も受ける可能性が8.3パーセント上がることが明らかになり、良い習慣も確実に伝染することが分かりました。
結局のところ、どんな人と付き合うかはどんなふうに生きるかに直接的に関係してくることなのですから、人付き合いにはもう少し慎重になりたいものです。