香川県は一人あたりの平均年収は全国平均程度なのにも関わらず、一世帯あたりの平均貯蓄額は東京についで日本で二番目に多いことで知られています。
それはつまり香川県の人たちがあまりお金を使わないという事を表していますが、香川県民があまり散財をしないのは県民食とも言える「うどん」が関係しているようなのです。
香川県ではセルフのうどん屋へ行けば、うどんが一杯100円程度で食べられるため、香川県民は何かを買う時はお金ではなく「うどん」を基準にモノの価値を測ります。
そのため香川県は遊園地の経営が日本一難しい場所だと言われていて、入場料に数千円もとる遊園地の場合、香川県民は「入場料だけでうどんが数十杯食べられる」と考えるため、香川県で遊園地が成り立たないのも当然です。
そう考えてみれば私たちは普段から物の価値なんてほとんど考えることなくお金を使っているのではないでしょうか?
あらゆる物には値札が付いていて、そこに書かれている値段が間違っていると感じる人はほとんどいないのかもしれませんが、実際にはモノの値段とその価値が全く釣り合っていない場合の方が多いのです。
例えば、1万円の指輪と30万円の指輪とを比較してみると分かりやすいでしょう。30万円の指輪が1万円の指輪を手に入れた時の30倍嬉しいわけではありませんし、幸せが続く時間も30倍にはならないように、モノの値段とそこから得られる幸福度は全く比例しないのです。
人間は1日に6万回も考え事をしていてその内の95パーセントは昨日と同じ内容、さらにその中の80パーセントはお金に関することとも言われますが、それは価値と値段が合っていないものばかり買っているがために、いつまでも満たされない不安を感じ始めている証拠だと言えます。
倹約家で有名なタレントの有吉弘行さんは自身の著書の中で貯金残高は心の余裕を表すバロメーターであるため、身の丈よりも一個下の生活をするべきだと述べていましたが、金銭感覚がズレ始めている現代人にとってはそれくらいがちょうど良いのかもしれません。
日々の生活に追われていると「ちょっと自分にご褒美」と浪費することが増えますが、手に取る前に価格と価値をしっかりと天秤にかけたいところです。