Good Life Journal

日常生活における「疑問?」を「確信!」へ

本を読む時間や子供と過ごす時間を後回しにし、文明人は「時間を虐待している」

f:id:goodlifejournal:20181110144721j:plain

不思議なことに、楽しいはずの予定でもカレンダーに記入された瞬間、スケジューリングされた“仕事”のように、自分を縛るものになってしまいます。

私たちは「この日にはこれをする」と決まっている期日だらけの生活をしていますが、その中では、本を読む時間や子どもと過ごす時間といった「期日はないけれど重要なこと」はどんどん後回しになり、よくよく考えれば人生における優先度の低いことばかりに時間を取られているのです。

そして、まるでプログラムを色々開きすぎているせいで動きが遅くなってしまったコンピュータのように、多すぎる予定によって頭は混乱し、ちょっとしたミスを重ねてしまったりして無駄に時間を使ってしまうことも少なくありません。

一方、予定に追われていない未開の地で暮らす人たちにとっての“時間”は、もっともっと平和的なゆったりとした存在であり、ヨーロッパの文明社会をはじめて見たサモア諸島の曹長の演説が収められている本「パパラギ」には、文明社会の人は「時間を虐待している」という言葉もありました。

確かに、電車の待ち時間にできた10分の時間でも有効活用しなければとスマートフォンを取り出してしまう私たちは、時間を酷使しているのかもしれません。

一分一秒刻みで過ぎていく時間は決まった長さのある存在のように感じられますが、実のところ確かな存在であるというのは思い込みで、例えば七色の虹の実体がただの水滴なのと同じように、“時間”も、同じような脳のソフトを持っている人間が生み出した、実体のない感覚的なものに過ぎないという見方もあります。

帝京大学理工学部の教授を務める飽本一裕さんは、著書「高次元の国 日本」の中で、実感としての時間の長さ=「実感時間」が、年齢によって異なることを示していました。

例えば、30歳の人の実感時間を5歳児を比べるときは「5÷30」という式で算出することができ、30歳の人が感じる1年間の長さは、5歳児の感じる長さの6分の1になるのだそうです。

つまり実感時間としては、5歳児にとっての1年が30歳の人にとっては2ヶ月にしかならないということになり、時間というものがとても不確かな存在であることがわかります。

前出のサモア諸島の曹長が言うには、時間を分解したりせずに時を来るままに愛してきた島の人たちは「時間が苦しみになったこともなければ、悩みになったこともない」そうですし、きっとギュウギュウに予定が詰まっている方が充実しているという現代人の言葉は見せかけに過ぎないのでしょう。

のびのびとした静かな時間の中だからこそ、人は平穏で豊かな気持ちになれるのでしょうし、実際、“予定”にはできないことの方が人生において大切なことが多いのですから。

いつも「時間がない」あなたに: 欠乏の行動経済学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

いつも「時間がない」あなたに: 欠乏の行動経済学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 作者: センディルムッライナタン,エルダーシャフィール,Sendhil Mullainathan,Eldar Shafir,大田直子
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2017/01/07
  • メディア: 単行本
 
パパラギ はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集 (SB文庫)

パパラギ はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集 (SB文庫)

  • 作者: エーリッヒ・ショイルマン,Erich Scheurmann,岡崎照男
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2009/02/18
  • メディア: 文庫
 
しあわせる力?禅的幸福論? (角川SSC新書)

しあわせる力?禅的幸福論? (角川SSC新書)

  • 作者: 玄侑宗久
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川マガジンズ
  • 発売日: 2012/09/07
  • メディア: Kindle版
 
高次元の国 日本

高次元の国 日本

  • 作者: 飽本一裕
  • 出版社/メーカー: 明窓出版
  • 発売日: 2008/02/01
  • メディア: 単行本