Good Life Journal

日常生活における「疑問?」を「確信!」へ

もうグローバル教育なんて完全に時代遅れ「本当の国際教育とは自国を知ることである。」

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文部科学省が選んだ「スーパーグローバル大学」のうち、東京大学や京都大学など「トップ型」とされた学校は、2023年まで、毎年およそ4億2千万円の補助金を受けとり、外国の大学と共同プロジェクトをするなどして、世界大学ランキングの100位以内に入ることを目指すのだそうです。

作家で元外交官の佐藤優さんは、日本の学歴信仰を“入学歴”信仰と呼び、これまで、「どのくらいの偏差値の大学に入ったのか」というのが社会に出てからもついて回っていたと言いました。

それが今度は「世界で何位の大学に入ったのか」というところに置きかえられようとしているように見えます。

何十年も前から「グローバル教育」と言い続けている日本とは対照的に、イギリスでは15年前から、地域社会のボランティア活動などに取り組んだり、大人になった時に政治に参加するのための知識と技能を育てるための「シティズンシップ教育」が、中学高校の子どもたちの必修科目となりました。

その授業はたとえば、ウガンダの子どもと自分たちの一日の生活との違いを話し合って議論するというものだったり、街頭で通行人に募金をお願いしたり、もう少し上の学年になると、遺伝子操作やクローンの問題について、生徒が被告人や裁判官などそれぞれの役になりきって裁判をすることもあります。

そうやって「自発的に動く市民」を育てるということですが、子どもの親の目には、この教育がなにか偏った思想を吹き込むのではないかというふうにも映るでしょう。

けれど20年前、「宗教と政治の話は控えよ」という暗黙のルールの中で議論を避ける生徒が8割を占めていたイギリスの社会には、投票率の低下やニートの問題をはじめとする、無力感や反社会的な行動が広がっていました。

そして、教育が始まってからの10年で、若者がフェイスブックを通じて集まり、会合やボイコットなどの行動を起こすといった社会への参加が増えた今のイギリスでは、人々が行動的で政治的であることは、民主主義社会にとって、とても大切なことだと考えられています。

2016年に世界大学ランキングで、東京大学を上回るアジアトップの大学のある国となったシンガポールも、3年前から「シティズンシップ教育」を取り入れ始めているそうです。

日本人には「英語」という無視できないハードルがあり、まずは語学の試験でいい点をとっておけば間違いないと思ってしまいますが、入った大学のランキングや成績では証明できない、「行動的で政治的であること」の方が、グローバルな人の“資格”になりつつあるのかもしれません。

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