Good Life Journal

日常生活における「疑問?」を「確信!」へ

ウンチの量と幸福度は比例する「便秘が増えれば増えるほど、自殺率やアレルギー発症率は高くなる」

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慶應義塾大学医学部の伊藤裕教授によれば、人間のカラダが約60兆個の細胞から成り立っているのに対して、私たちの腸内にはなんと約1000兆個もの細菌が住んでいるのだそうで、腸がカラダに与える影響の大きさを想像することは難しいことではないでしょう。

興味深いことに、カリフォルニア大学ロサンゼルス校が行った研究によると、幸せホルモンとして知られるセロトニンやドーパミンの約90パーセントは腸で作られているのだそうです。そのため、人の思考や行動パターンは腸内細菌によって決まることが分かっています。

その腸内細菌は大きく分けると善玉菌と悪玉菌に分類されるのですが、よくヨーグルトのCMで耳にする、乳酸菌、ビフィズス菌、そしてガセリ菌などは善玉菌に分類され、これらの善玉菌は腸内で作られた幸せホルモンを脳に運ぶ役目をしていることが明らかになってきました。

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↑もし気分が乗らない日が続いているのならば、その原因は腸にあるのかもしれない

実際に、うつ病患者の腸内を調べると善玉菌の数が極端に少ない傾向があると分かったため、患者にヨーグルトを食べてもらい、乳酸菌で腸内環境を整え、脳を調べたところ、不安定だった感情の動きが穏やかになったと言います。

さらに、動物実験でも同様の研究結果が報告されており、中国科学院で行われた研究では、豚に乳酸菌を与えると小屋の中で暴れなくなって、様々な病気も治り、さらに肉質も良くなりました。

そのため、最近ではあらゆる病気に対して、薬物を投与して治療するよりも、腸内環境を改善する方がよっぽど効果的な治療になると多くの神経学者や精神科医たちが気づき始めていると言います。

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↑健康に生きる事ができるかどうかは、どれだけだけ大きなウンチを出すかにかかっている

では、日本人の腸の状態は良好なのかと言えば、実際はそうではないようです。

日本人の腸内環境が悪化した背景には、高度成長期に本格化した肉食文化があるようで、農林水産省が行った調査によれば、1960年以降での肉の摂取量は50年間で10倍にも増え、それに伴って腸の不調を訴える人や、大腸ガンを発症する人の数も9倍に増加しました。

ただそれは当然といえば当然の話で、そもそも、牛肉などの脂肪を溶かすには、約50度もの温度が必要とされるのに対して、人間の腸内の温度はせいぜい37度程度しかないため、肉の脂肪は溶けにくく、分解するためにものすごく負担がかかるのです。

また、人間の腸内は蒸し暑く、例えるならばそれは湿気の多い真夏のような環境だと言え、夏の台所に食べ残した肉料理をそのまま何時間も放置していたらあっという間に腐ってしまうように、それと全く同じことが腸内でも起こっていると考えられています。

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↑50年間で9倍に増加した大腸ガンやポリープは、腸が悲鳴を上げているなによりの証拠

腸からは常にムチンと呼ばれる粘液が絶えず分泌されていて、この粘液が悪玉菌をウンチと一緒に体の外に押し出す役割をしているのですが、腸内で腐敗した油が腸の表皮を覆ってしまうことで、粘膜が出にくくなり、そのせいでウンチが腸にとどまる時間が長くなってしまうのです。

そして、ウンチが腸の中に長時間溜まってしまうと、腸内で悪玉菌がどんどん増殖してしまい、一方で、幸せホルモンを運ぶ役割をする善玉菌の割合が少なくなってしまうため、便秘になるとイライラしたり気分が落ち込む原因になってしまいます。

興味深いことに、排出するウンチの量と幸福感は比例するのだそうで、ウンチの量が多ければ多いほど自殺率は下がり、ウンチの量が少なければ少ないほど自殺率が増加するのだそうです。

実際、世界で最もウンチの量が多い国の一つであるメキシコでは自殺率が10万人あたり約4人と低い一方で、ウンチが小さい日本人の自殺率は10万人あたり約20人と5倍近く高いことが分かってきました。

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↑ウンチを腸に溜め込むという行為は、不幸を体に溜め込んでいることと何ら変わりはない

さらに、ウンチが腸に長時間留まることで、リーキーガット症候群と呼ばれる腸に小さな穴が開く病気を発症する可能性があることも最近の研究で分かってきています。

通常ほとんどの食品に含まれるタンパク質は、アミノ酸と呼ばれる小さな粒子に分解されてから腸に吸収されますが、腸内環境が荒れることで腸に小さな穴が空き、そこからまだ分解途中のタンパク質が体内に漏れ出すことで、アレルギー反応を起こすというものです。

近年、大人になってから突然アレルギーを発症する人が増えているは、このリーキーガット症候群が原因だと考えられており、なんと現代人の7割が腸にこのような穴が開いているとの試算もされています。

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↑大人になってから急にアレルギーになってしまった人は、腸をよく調べたほうが良い

ウンチがなかなか出ないというのは、カラダにとっては文字通り「不便」であり、そう考えれば、健康に生きる事ができるかどうかは、いかに大きなウンチを出すかにかかっていると言ってしまっても過言ではないでしょう。

ただ、私たちのウンチの質は、私たちが普段口にしている食べ物の影響を強く受けるため、出すものを変えるためには、まずは入れるものを根本的に変える必要があります。

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↑ひと昔前まで日本人のウンチの大きさはアメリカ人の3倍だった

もともと日本人は玄米と野菜を中心とした食生活を送っていました。玄米や野菜に豊富に含まれている食物繊維は小腸で消化吸収されずに、そのまま大腸に送られ、そこで腸の老廃物、悪玉菌、そして水をたくさん吸い込むことで立派なウンチを形成し、体外に放出する役目を果たします。

現在では日本人は食物繊維が含まれる食品をあまり口にしなくなってしまったため、日本人のウンチは小さくなってしまいましたが、まだ米と野菜が中心だった時代の日本人のウンチは相当大きかったようです。

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↑従来の日本人は玄米や野菜などの食物繊維を豊富に摂取していたからウンチも特別大きかった

当時の日本人のウンチの大きさを表す逸話の中に戦場での野糞のエピソードがあります。

どういう事かと言うと、戦場にはトイレなんて無いですから、戦争中は敵軍が残す野糞の量で相手の兵力を推測するのだそうで、第二次世界大戦中、日本軍と戦ったアメリカ軍は、日本軍が残した野糞を見て、日本兵の人数を実際の数倍と勘違いしてしまったのだそうです。

と言うのも、アメリカ人はあれだけ大きな体をしているのにも関わらず、肉食が中心であるため、一回あたりのウンチの量は100グラム程度で、しかも毎日ウンチをするわけではありません。

一方、日本人は米や野菜などの食物繊維を多食するため、一回あたりのウンチの量は300グラムを超える人がほとんどで、なおかつ、毎日ウンチをするため、戦場に残された野糞の量は膨大だったようで、日本兵が実際の人数の数倍も多く見積もられたと言われています。

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↑アメリカ兵は日本人の野糞を見て、途方もない数の日本兵の姿を想像したに違いない

そもそも日本人が肉を食べ始めたのは、明治時代に文明開化の象徴として一部の人の間で流行した牛鍋がキッカケだという話はあまりにも有名です。

確かに、昔からは日本人は新しいもの好きで、珍しい肉料理を楽しむ人は大勢いましたが、当時、肉はまだ非常に高価で、なおかつ肉には独特の触感があったので、日常的に食べるものではないとして、日本の食卓に定着するまでに時間がかかりました。

日本に肉食を定着させた立役者となったのが、60年代に登場したハンバーグだと言われていて、それは日本の伝統的な練り物と作り方、見た目、そして食感もそれなりに似ていて、なおかつ比較的安価だったため、すんなりと日本の食卓に受け入れられ、あっという間に日本全国に広がっていったのです。

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↑レトルトのハンバーグが登場してから、日本人の体がおかしくなり始めた

さらに、1964年に開催された東京オリンピックをテレビで見ていた日本人が欧米人との圧倒的な体格差を感じたことで、動物性タンパク質の摂取量を増やす人が増え、肉を食べれば体が立派になるという考え方が一般に定着したという側面もあるでしょう。

ただ、肉を食べれば肉になるという考え方は非常に短絡的だと言わざるを得ません。本来、肉のタンパク質は人間のカラダにそのまま使うことができないので、一度、分解して吸収しなおすという無駄なステップを踏む必要があるため、あまり効率的ではないのです。

そもそも欧米人が肉を食べるのは、彼らが主食としていた麦には良質なタンパク質があまり含まれていなかったため、肉を食べることで不足していたタンパク質を補給する必要があっただけで、もともとタンパク質豊富な米を食べていた日本人が肉を食べる必要は全くないと言えます。

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↑身長5メートルのキリンや体重が6トンのゾウですら草しか食べていないのだから、人間が肉を食べる必要は無いだろう

実際、明治時代初期に来日したドイツ人医師のベルツ氏は、東京から日光までの約150キロをノンストップで駆け抜ける人力車夫を見て、普段から何を食べているのかを調べたところ、玄米と野菜と少量のイモしか食べていないと言うことが分かりました。

そこで、ベルツ氏は彼がドイツで学んできた栄養理論に基づいて、人力車夫に牛肉を食べさせて同じように走ってもらうと、すぐにスタミナがなくなり、この車夫は3日で根を上げてしまったとそうです。消化に大量のエネルギーを必要とする肉を食べたのですから当然でしょう。

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↑米と野菜だけでも150キロをノンストップで走れる日本人がどうして肉を食べる必要があるのか

それに、歯の構造を見てみれば私たちがもともと肉を食べるようにできていないことも分かります。

人間の32本ある歯のうち、20本は米などの穀物を食べる時に使われる臼歯で、8本は野菜や果物類を食べる時に使われる門歯、そして残りの4本が肉を食べるために使われる犬歯になっているのですが、こう見れば人間の歯が肉を食べるように設計されていないことは一目瞭然です。

よく考えてみれば、身長が5m以上あるキリンや、体重が6トンもある象、そして人間に牛乳や肉を提供する牛でさえ草だけであれだけの巨体を保っているのですから、こんなに小さな人間が肉を食べる必要はないのでしょう。

そういった意味で、食事を摂るということは植物を食べると考えるほうが自然であり、あくまでも肉は補助食として考えたほうが良いと言えます。

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↑人間の歯は肉を食べるように作られていないのだから、無理に食べれば歯も腸もボロボロになってしまう

とは言っても、これだけ美味しいモノが溢れかえった世の中で、穀物や野菜だけ食べるというわけにはいかないでしょう。

従来、日本には、「ハレとケ」という考え方があり、特別な日のことを「ハレ」そしていつもの日常のことを「ケ」と呼んでいて、普段は米と野菜などの粗食を心がけながら、ハレの日には、酒を交わし、普段口にしない贅沢な食べ物を食卓に並べたのだそうです。

ただ、最近の日本人の食生活を見ているとハレばかりで、ケを大切にできていない人がほとんどで、昔は、このように普段の食生活が荒れることを、ケが枯れるとして「ケガレ(汚れ)」と呼んでいました。

この考え方はお寺の和尚さんにも通じるものがあり、和尚さんが修行中に絶対に肉を食べないのは、腸が汚れると心も汚れるということを理解しているからだと言えます。

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↑普段の日常で粗食を心がけていれば、たまにはガッツリ肉を食べても良いんじゃないか

近年はテレビを付けると脳に関する番組がよく放送されているように、人々の関心は脳に向けられているようです。

でも、生物の歴史を振り返ってみると、生物が誕生した40億年前に最初に作られた体の部分は腸で、そこから脳を獲得するまでには35億年もかかっていることから、脳の歴史はあまり長くないことが分かります。

「腑(ふ)に落ちた」とか「腸(はらわた)が煮えくり返る」といった昔から使われている言葉には腸に関するものが少なくなく、そう考えれば、昔の人たちはしっかりと腸の声に耳を傾けていたのではないでしょうか。

近年、大腸がんやポリープなど腸のトラブルを訴える人が多いですが、恐らくそれは腸からのメッセージだと言えますし、人間は腸なしでは語れないほど腸に依存して生きているのですから、もう少し腸に気を遣いながら生活したいものです。

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