Good Life Journal

日常生活における「疑問?」を「確信!」へ

自動運転が普及すれば、家庭から冷蔵庫が消える。

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自動車の運転サポートとして注目されている、自動運転は、私達の移動手段を変化させるだけでなく、消費生活にも大きな影響を与えるかもしれません。

2018年1月にラスベガスで開催された、最新技術や製品を発表する見本市であるCES (The International Consumer Electronics Show) で、移動型スーパーマーケットのRobomartが発表されました。

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(出典:Robomarts.comのHPより)

Robomartは、自動運転システムを搭載した世界で初めての無人移動マーケットで、冷蔵機能によって野菜、果物などの生鮮食品やパンなど食料品を運ぶことができます。

Robomartの使い方は至って簡単で、専用のアプリから自分の近くにいるRobomartにリクエストを送り、指定の住所まで来てもらいます。

Robomartが到着したら買い物を済ませ、ドアを閉めれば元のルートへと自動で帰っていき、のちにオンラインにて支払いの請求が届くという仕組みです。

現在Robomartは今年の夏を目途にカリフォルニアにて自動運転の試験運用をするための、許可を待っている状態で、実際にはまだ使用されていません。

食料品は、世界で1兆ドルに上るほどの市場規模を持ち、その60%は生鮮食品と言われていますが、オンラインで販売されているのはそのうちの5%以下にとどまっています。

その理由は、「配達にかかる人件費が膨大になること」と「消費者は他人が選んだ商品を信用しない」という心理のためです。

Robomartが行った調査によると、調査対象となった女性の中の85%が野菜と果物をオンラインで買い物しない理由として、配達コストが高くなりがちなことと自分で商品を選びたいからと回答しました。

Robomartは通常のオンラインショッピングとは異なり、人件費を必要としないこと、自分で商品を選ぶことができることが利点であることに加え、提携を結んだ大型小売店に対して販売状況や消費パターンのデータを得ることができる、販売範囲を広げることができるなどのメリットを与えることができます。

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(出典:Cropped shot of a courier making a grocery delivery)
Robomartによって消費者と小売業者にもたらされる「食品購入の量を上手にコントロールできる」というこのメリットは、私たち日本人が教えられてきた「もったいない」の精神を食品廃棄率の点から見直すきっかけを作るかもしれません。

日本では、年間約642万トンの食材を食べることができるにも関わらず廃棄され、この量は世界の食糧援助量である約320万トンの約2倍に相当することはご存知でしょうか。 

また、世界で廃棄されている食品は年間約13億トンにのぼります。これは世界中で生産されている食品のおよそ3分の1にあたる量で、世界の飢餓人口である10億人を十分に養える量であることから、食料を廃棄することで飢餓に苦しむ人たちに行き渡る可能性があった食料を間接的に奪っているとも言えるでしょう。

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さらに、廃棄された食べ物が腐ることから、約33億トンの温室効果ガスが排出されています。この量を国として換算すると中国とアメリカに次いで、世界で3番目の大きさに相当する量であり、食料廃棄が原因でどれだけ多くの温室効果ガスが生み出されているかがわかると思います。

途上国の食糧廃棄の原因は、貯蔵施設などの不足からなる「収穫後すぐの食品廃棄」であるのに対して、先進国では供給過程で食品が廃棄される場合が多いのです。

その原因となっているのは小売業者が必要以上に製品を仕入れすることに加えて、消費者である私たちも食材を必要以上に大量購入するがゆえに、消費期限前に消化しきれず、捨てていることも原因のようです。

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Robomartなどの最新技術で、移動販売が生鮮食品の配達を低コストで実現可能になることで、多くの小売店が廃棄率を見直すことができます。

そのうえ、消費者の私たちは食材が欲しい時にRobomartを呼ぶことで欲しい分だけを購入することができ、冷蔵庫に必要以上に食材をためておく必要がなく、結果的に食品廃棄を減らすことにつなげることができるでしょう。

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自動運転システムにはハンドル操作やブレーキなど自動にできる範囲によって、レベル分けがされており、ドライバーの操作だけでなく乗車をも必要としない最高水準がレベル5です。

Robomartは現在、位置測定、障害物回避、そして経路計画などのレベル5となる自動運転システムを達成するためのソフトウェアの開発途中にあります。

世界ではジュネーブ道路交通用条約に明記されている、『全ての車両には運転者が居なくてはいけない』に乗っ取り、レベル5が一般道路では使用できないことに加え、人の飛び出しや死角に居る自転車などを予測して避ける能力を持つAIの開発がまだ途中であることから、レベル5の自動運転は一般的な実用にまだ至っていません。

しかし、近い将来に法制度が整えられると同時に技術が進み、今回発表されたRobomartのような無人移動スーパーマーケットが普及すると、私たちの消費スタイルも変化し、より便利で環境に優しい生活をすることが可能になるかもしれません。

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