2015年にオックスフォード・エコノミックスがおこなった調査によれば、社員が有給休暇を利用しないことは、会社のバランスシートを224億ドルも悪化させていることが分かりました。
書店に行けば、働き方や生産性に関する本がずらりと並び、多くの人は働くことには興味があっても、休むことにはあまり興味がないのかもしれません。
シリコンバレーで企業の休息コンサルタントを行うアレックス・スジョン-キム・パンが書かれた「シリコンバレー式 よい休息」という本をめくりながら、上手な身体の休め方について考えていきましょう。
100年前の暮らしは、現在と比べるとものすごくシンプルで、休息をとる時間は想像以上にたくさんありました。
しかし、今では家庭や子供、もしくはクライアントの要望は激しく、さらに、人間の仕事をラクにするはずであったテクノロジーが逆に、人間を仕事から離れられないように縛り付けてしまっています。
一番効率的に働く方法は「全力で働くか、全力で休むか」をはっきりさせることで、忙しい中でも全力で休む時間をつくる人たちは、早朝から物凄い勢いで仕事をし、午後に少しまとまった休息の時間をとります。
皆さんは、休息のことを、今やっている仕事を一旦中断してソファでゆっくりすることだと思っていませんか?もちろん、それもあるかもしれません。
しかし、休息の本質は音楽を聴いたり、運動をしたりと、自分の興味をそそる新たな部分を意識的に使うことで、精神や心の一部分に休みを与えてあげることになります。
心理学の研究によれば、旅行や新しい文化に触れると創造性が上がることがわかっており、長期の休暇は8日目で幸福度のピークを迎え、その後は徐々に下落していくということですから、休暇も長ければ長いほどいいというわけではなさそうですね。
休息とは文章を書いたり、ランニングをしたりするのと同じで、誰でも基本的なことは理解していますが、少し勉強して理解を深めれば、はるかに効果的な休息を取れるようになっていくことでしょう。
休息の仕方に頭を使うのは若干皮肉なことかもしれませんが、常にアクティブなパフォーマーとして活躍していくためには、ただリラックスするための休息では、恐らくダメなようです。