あるデータによれば、グーグル社の従業員一人当たりの年間生産性が1259万円であることに対して、日本の大手企業の従業員一人当たりの年間生産性は300万円と、生産性に約4倍の差がついてしまっています。
このような差は、組織のあり方や考え方によっても大きく変わってくるものです。しかしそうだとしても、なぜほんの数十年の間でここまで大きな差が生まれてしまったのでしょうか。
元グーグルの人材開発担当であったピョートル・グジバチさんが書かれた「世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか」という本をめくりながら、新しい時代の生産性について考えていきましょう。
「今は変化の速い時代だから◯◯をしないといけない」「企業はこの時代を生き残るために何をすべきか」――近頃、頻繁に耳にするフレーズかと思います。
これらの質問に対する単純な答えは、皆さんが世の中の変化よりも速く動けたら、時代に取り残されることはないと言えます。つまり、時代の変化が速いのであれば来年の生産性は今年の10パーセント増などと、のんきなことを言っていたら時代の変化に簡単に追いつかれてしまうんですね。
グーグルには、5年後や10年後ではなく、いきなり今日から10倍の飛躍を目指す「10x」という考えて方があり、少し前にはヤフーも「10倍挑戦して、5倍失敗して、2倍成功する」というスローガンが話題になりましたよね。
もちろん、いきなり明日から生産性を10倍に上げることは現実味がないでしょう。だけど、少なくても10倍の生産性を上げようと思ったら、いまのやり方・働き方では、それが実現できないことは誰にでも分かるはずです。
つまり、まず10倍の生産性を現実化するために、考え方自体を360度変えなければならないんですね。
10倍で考えたら、仕事がルーチンになることなんてありません。ルーチンの仕事などをしていたら、成長するどころか、どんどん衰退していってしまいますから。
何の理由もなく「型にはまらない人」を求めているわけではありません。10倍の生産性を上げるためには、社内からではなく、外から新しく入ってきた人がガツンと言うぐらいが一番効果的なのだと思います。

世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか グーグルの個人・チームで成果を上げる方法
- 作者: ピョートル・フェリークス・グジバチ
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2017/01/28
- メディア: 単行本