皆さんは世の中の大きな変化が70年の周期で起こっているという事実を知ったらどうしますか?
これは、歴史家のニール・ハウとウィリアム ・ハウが人類の歴史を詳しく調べたところ、発見した歴史の循環サイクルで、日本でも寛政の改革(1787年)、明治維新(1868年)、そして終戦(1945年)と大体70年前後で歴史的な大きな変化が起こっていることが分かります。
経営コンサルタントの神田昌典さんが書かれた「2022―これから10年、活躍できる人の条件」をめくりながら終戦(1945年)から70年となる現在、どうのような変化が起ろうとしているのかを見ていきましょう。
今生きている時代の意味を知りたければ、70年前の歴史の転換期を見れば分かります。今から約70年前の1945年、終戦と共に日本の価値観が一気に変わり、それまで大きな力を持ち、多くの人の憧れであった軍人が戦犯にされてしまいました。
さらにその70年前の明治維新(1868年)の時も同じです。それまで多くの人の憧れの存在であったお侍さんたちが、一夜にしてその身分を失ってしまっているんですね。
そして、神田さんによれば、終戦(1945年)からちょうど70年に差し掛かかろうとしている今、大きく存在感を失うのはこれまで「利益・売上が高い=良い企業」という単純な図式で成長してきた「企業」そのものだと言います。つまり、これまでの資本主義のカタチが終焉を迎えるということですね。
確かにリーマンショックなどを通じて、利益至上主義が度を過ぎるところまで拡大してしまっており、企業は様々な面で世の中の人々の信頼を失ってしまっています。
ピーター・ドラッカーはもう数十年前に、企業は現在のような利益だけを重視する形態から、NPOのように利益よりも、社会性をまず第一に考える組織が社会の中心になっていくだろうと断言していたんですね。
従来、企業とはどれだけ社会性のある良いことをやっても、利益を上げられなければ何の意味もないと言われてきました。しかし、これからは「社会のためになることをやらなければ、利益を上げられない時代」になってくることは間違いないでしょう。
もしかすると、今後は株式会社よりもNPOの方が、社会的な影響力を持つような時代になっていくのかもしれませんね。そういった意味で、私たち「企業」という組織自体も時代に合わせて変わっていかなければなりません。