皆さんは、ビジネスパーソンが自身のキャリアをつくるキッカケの80パーセントが「偶然」であることをご存知でしたか?
スタンフォード大学のジョン・クランボルツ教授は、仕事のキャリアというものは中長期的にしっかりとゴールを設定して、そこを目指して頑張るのではなく、「いい偶然」を引き寄せる習慣を身につけて行動することが大切だと断言しました。
元電通で文筆家兼コンサルタントの山口 周さんが書かれた「天職は寝て待て~新しい転職・就活・キャリア論~」という本を片手に、仕事のキャリアに対してどういう意識を持てばいいのかを考えていきましょう。
ところで、皆さんは未来は予想可能だと思いますか?毎年、年末年始になると来年の不動産業界の予測といった感じで、どの業界でも業界予想みたいなものが出ますよね。
もちろん、一つの参考資料として見るのは全然構いませんが、それをどっぷり信じ込んで自分のキャリアを設定しては絶対にダメですよ。
山口さんも本の中で仰っていますが、20〜25年前に会社の基盤も成長も安定していて、就職したいランキングでも上位に上がっていた3分の1近くの企業が、合併や破綻などによってもう存在していないんです。
アメリカなどは日本より変化のスピードがもっと早いため、数十年前、優良企業と言われていた企業が次々と姿を消し、テクノロジーにレバレッジをかけた企業が台頭してきています。
果たして、これだけ変化の早い時代に10〜20年の中長期的な視点でキャリアをつくっていくことが現実的でしょうか?山口さんは「天職」とは本来、自らを自己分析などして、自身の内面の主軸を見つけるものではなく、人生の転機に様々なきっかけで他人から「与えられる」ものだと仰っていますよ。
つまり、「自分が何をしたいか」ということではなく、「自分が世の中から何を求められているかを問え」ということですね。とにかく色々なところに顔を出して、仕事のキャリア設計を様々な偶然に身を任せていくべきです。