皆さんは、自分より圧倒的に実力がある人や自分たちよりも規模や実績が大きい企業を前にして、どうやったら自分はこの人たちに立ち向かえるのだろうと考えたことはありませんか?
ほとんどの人は、自分との実力差に圧倒されて、戦うこともなく逃げ出してしまいますが、どんなに大きな相手でも必ず弱点があり、勝てるチャンスがあるということを決して忘れないで下さい。
このような実力差において圧倒的に不利な状況に置かれた人たちが、どのように強者に対して立ち向かったかについて書かれた、アメリカのベストセラー作家、マルコム・グラッドウェルの「逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密」という本をご紹介させて下さい。
こちらの本では、まず最初に過去200年に起きた小国と大国との紛争に関しての勝敗を分析しています。小国と大国は人口、および兵力が最低10倍以上の開きがあることが条件です。
もちろん、皆さんは兵力が10倍以上ある大国が100パーセント勝つと思いますよね。しかし、過去200年のデータを分析してみると大国が勝利する確率は71.5パーセントで、3割近い確率で小国が圧倒的に不利な条件でも勝利していることになります。
そして、驚くことに、仮に小国がゲリラ戦法などの型破りな方法で大国と戦った場合、勝率は63.6パーセントまで跳ね上がりました。
つまり、このデータに基づけば、例えば、日本の人口が1億2000万人、ギリシャの人口が1100万人ぐらいでちょうど10倍ぐらいですから、もし、日本とギリシャが戦争をして、ギリシャが型破りな戦法で日本に挑んできた場合、ギリシャが勝つ確率の方が高いということになるんですね。
これは何も戦争に限らず、日常の生活の中でも同じようなことが見てとることができます。
障害者の方や親の離婚などが原因で、強制的に一般の人よりも不利な状況に立たされてしまう方がいますが、この逆境というアウトサイダー的な思考を利用して、とても一般の人が思いつかないような発想で活躍する方々が多くいらっしゃいますね。
目が不自由な方々は、私たちが想像できないような逆境に直面していることでしょう。でも、目の能力が低いぶん、聴覚や嗅覚が普通の人よりも敏感になると何かの本に書いてありましたし、もし、子供の頃から人と喋ることが苦手で、営業であまり結果が出せないでいるのなら、何か従来とは違ったやり方で売上をつくるという発想が生まれてくるかもしれません。
なんでも、勇気とは、何か困難を乗り越え、「思ったよりもキツくなかったな」と感じた時に、自然に湧いてくるものだと言います。どんな困難にも必ず終わりがあることを忘れないで下さい。
逆境を追い風にして、他人とは違った自分なりのやり方を見つけられた時、本当の「付加価値」の意味が分かるにかもしれませんね。