近年、人工知能を取り入れる企業はますます増えてきており、グーグル社ではさらに人工知能の活用を進めるため、2014年に一般の住宅で使用できる室温制御装置「ネストサーモスタット」を提供するNest Labs社を買収しました。
ネストサーモスタットとは、人工知能に居住者の生活スタイルや好みの温度を学習させることでその人に合った室温を自動的に設定することができる装置で、アメリカ国内で約100万台を売り上げたとも言われています。
(出典:https://nest.com/thermostats/)
ネストサーモスタットは使い始めの頃は手動で温度調節をしなければなりませんが、その後は人工知能が起床時間や外出、帰宅時間などの生活パターンを徐々に学習していくため、暑すぎたり寒すぎたりといったことはなく、いつでも住人に合った快適な室温を保つことができるのです。
最近ではWork with Nestというプロジェクトの下でさまざまな企業とタイアップし、調理オーブン、洗濯機や乾燥機などの家電、そしてコンセントプラグまでもネストサーモスタットにつなげ、居住者の動きに合わせて自動でオン/オフを可能にしたり、プラグへの送電を自動で制御するなどを目標にしています。
例えば、メルセデス・ベンツもWork with Nestプロジェクトの参加企業の一社ですが、仕事を終えた住人が帰宅のために車を運転し始めるとネストサーモスタットに到着予定時刻が送られ、到着する頃には家の中は人工知能が学習したとおりその家の住人が好む室温に調整されている、ということが可能になるのです。
(出典:http://nest.drivestyleapp.com)
その他にも、ウェアラブルデバイスを提供しているJawbone社は「UP」というリストバンド型のデバイスとネストサーモスタットを連携させており、手首に装着されたUPがユーザーの心拍数を測り健康状態を把握、その情報を基にネストサーモスタットが住宅の温度を調整すると言います。
起床/就寝の状態も読み取ってくれるUPは、起床時と就寝時の室温をそれぞれ区別して自動調整してくれるそうですから質の良い睡眠が得られ、健康的な生活を維持してくれる住まい作りが可能になることでしょう。
(出典:https://jawbone.com/blog/jawbone-up-works-with-nest/)
私たちの暮らしや住まいがテクノロジーによって管理されることが当たり前になってきている時代、ますます技術の進歩に向き合っていかなければなりません。