Good Life Journal

日常生活における「疑問?」を「確信!」へ

「真面目にやればやるほど、利益が低い」そこを乗り越えた時に、仕事の本当の楽しさが分かります。

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皆さんは大戸屋にご飯を食べに行かれたりしますか?今では、誰でも気軽に入れて、女性に人気のお店ですが、まだ池袋で一店舗しかなかった頃は、料理の質、サービスの質、そして清潔度など、どれをとっても、池袋の中で最も質が低いお店でした。

つまり、安さだけが取り柄で、たまに女性が間違えてお店に入ってくるとお客さんも従業員も不思議がって、ずっと視線を送り続けてしまったため、女性はすぐお店から逃げ出してしまったそうです。今の大戸屋の落ち着いた雰囲気からは考えられませんよね。

「創業家に生まれて定食・大戸屋をつくった男とその家族」という本は、現在の大戸屋チェーンを築いた三森久実さんの息子である三森智仁さんが書かれたものですが、「汚い池袋の定食屋」、「定食屋が上場できるわけない」と馬鹿にされながらも、お母ちゃんの味を守りながら、必死に店の数を増やしていく様子がつづられています。

1980年代に三森久実さんが社長になった頃は、従業員も荒っぽい人達が多くて、常に喧嘩が絶えず、店のお金が盗まれた時に警察に調べてもらうと、偽名を使った指名手配犯がお店で働いたこともあったと言います。

また、当時は定食屋を多店舗化したいと、どれだけ熱く語って、融資を求めて銀行に歩みよってもバカにされて、相手にもしてくれなかったそうです。

三森久実さんは「外食の世界というのは、真面目にやればやるほど、利益が低い」と愚痴をこぼしながらも、コストを少しでも削減するために自宅から店舗まで片道1時間以上かけて自転車で通勤していたというのですから、「汚い池袋の定食屋」の汚名を返上するための努力は並大抵のものではなかったことでしょう。

そして、三森久実さんは2014年に肺がんにかかり、2015年に亡くなってしまうのですが、闘病生活の病院でも、しっかりとスーツに着替えて、ネクタイをし、看護師さんに「治療中だから、外には出られないんですよ」と何度言われても、「看護師さんには分からないのです。私は仕事に行かなくちゃならないのです」と毎朝、病院の人を困らせたと言います。

ワイシャツに腕を通すときに、抗がん剤を入れる点滴の針を自分で抜いてしまうので、ワイシャツの袖はいつも血だらけだったそうです。

でも、どうでしょうか。ほんの数十年前は「汚い池袋の定食屋」とバカにされた大戸屋が、今では女性のお客さんに愛され、ニューヨークに5店舗、タイにも49店舗と海外の人達にまで慕われ始めています。

これぞ、一人の経営者、いや、一人の人間の生き様と言えますね。こういった熱意を感じるだけで、「明日からやるぞ!」という元気をもらえます。

皆さんも、ぜひ手にとって読んでみて下さい。

創業家に生まれて 定食・大戸屋をつくった男とその家族

創業家に生まれて 定食・大戸屋をつくった男とその家族

  • 作者: 三森智仁
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2017/06/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)