トヨタ自動車の豊田章男社長が「先生」として慕っている、伊那食品会長の塚越寛さんが考える「年輪経営」のお考えが非常に素晴らしかったので、少しご紹介させて下さい。
会社が利益を重視するのは当然のことです。ましてや、上場会社であれば、それはなおさらでしょう。しかし、塚越寛さんは「利益はウンチ」だと言います。どういうことでしょうか?
ウンチを出すことを目的にして生きている人はいませんよね。ウンチは体を壊して、下痢や便秘になると上手く出ませんが、健康な体であれば、意識しなくても、自然と体から出てきます。利益もこの原理と同じです。つまり、利益(ウンチ)を出そうと思ったら、利益(ウンチ)を出そうと努力するのではなく、健康な会社(健康な体)を作ればいいわけです。
塚越寛さんは、結果は出すものではなく、やることをやったら必然と出るものだとも言います。
「良い会社」と「いい会社」の違いはなんでしょうか?「良い会社」とは給料が高く、大規模に拡大していて、雑誌なんかの働きがいのある企業ランキングの上位に毎年選ばれるような会社かもしれません。
「いい会社」というのは、同じように聞こえても、意味が全然違います。「いい会社」とは、経営上の数字だけではなく、従業員、取引先、地域の方々、そして一般消費者の方々の日常会話の中で、「この会社って、いい会社だよね」と常に言ってもらえる会社のことです。
どんなに枝葉を伸ばしても、幹を太くして、毎年しっかりと年輪を刻んでいかなければ、木はすぐに倒れてしまいます。
利益(ウンチ)を出すために働くのではなく、特に意識しなくても、ウンチが出る健康な会社を作っていきましょう。
急がなくても、ゆっくりでいいんです。